アンティークに出会うということ。私のもの選びの記録
2025.08.01 13:17
【第1話】わたしの好きな時間は、古いものとともに
ARIRIAがある、いわき市の泉町は
“田舎すぎず都会すぎず”といった町ですが、
アンティークショップにふらりと立ち寄る…そんなことはなかなかできません。
日々の暮らしの中で「古いもの」に出会うには、少し工夫と、少し根気と、ちょっとした“目”が必要になってくると感じるこの頃です。
わたしの手元にあるアンティークやヴィンテージたちは、そのほとんどがフリマオークションやネットの小さなお店で、じっくりと探し、選び抜いた子たち。
静かに並んだ美しい古いものたちを眺めていると、画面越しなのに、まるで空気が変わるような気がします。そして、好きなものについて調べる事が大好きな私は、その歴史を調べる事に心躍り、夢中になります。
今日は、そんな風に私のもとへやってきた「小さな宝物」たちの一部をご紹介したいと思います。
手元にある、わたしの小さなアンティークたち
Seltmann Weiden ゼルツマン ヴァイデン
Seltmann Weidenは、ドイツのバイエルン州ヴァイデンにて1910年創業。ドイツを代表する陶磁器メーカーの一つ。現在も品質と伝統を守り続けている数少ない陶磁器メーカー。
ドイツが東西に分かれていた時代(1949年~1990年)には、W.Germanyのバックスタンプが用いられました。
Bavaria(ババリア)とは?
製造地域:バイエルン州は、石英、カオリン(陶土)、長石といった陶磁器の原料となる豊富な資源に恵まれていたため、古くから多くの陶磁器メーカーが栄え、ドイツの陶磁器産業の中心地の一つ。
品質や伝統の象徴:Bavariaのマークは、バイエルン地方の陶磁器が持つ高い品質や伝統的な職人技を象徴する意味合いも持っている。

Seltmann Weiden Bavaria W.Germany REGINA
フォルム名:REGINA
年代:1949〜1990年(おそらく1970年代)
繊細なスズランの絵柄と、金彩の縁取り、そして波打つようなデザインが特徴的で、ケーキ皿もついています。


Seltmann Weiden Bavaria W.Germany
年代:1949〜1990年

落ち着いた色味と可愛らしい花。ドイツらしい静かな気品があります。


SINGERシンガー製アンティークミシン台(リメイクテーブル)
SINGERは1851年にニューヨークで創立。1867年スコットランドに、ヨーロッパで最初のシンガー工場を建設し、大量生産をはじめた為、イギリス製もたくさん製造されています。

Classic15Seriesだと思うのですが、ミシン本体がないと詳しい製造年や製造場所はわかりません。

黒いアイアンの脚に、天板を合わせてテーブルにリメイク。
今ではアロマやハーブ、オイルたちが並ぶ“香りのステージ”として活躍しています。
物語を持つ家具って、空間そのものの温度を変えてくれますね。
Walter Crane『A Flower Wedding(花の結婚式)』
英国リヴァプール生まれのウォルター・クレイン。花の結婚式は、ウォルター・クレイン(Walter Crane)が描いた、美しいイラストと詩的な文章が特徴の絵本です。この物語の最も大きな魅力は、擬人化された花の妖精たちが織りなす物語。
植物の生態や花言葉の知識も自然と身につくように作られているのも特徴的です。
幻想的で美しいフルカラーリトグラフの絵本から、何枚かを切り離したものを、額装して壁に飾っています。空間が一気にクラシカルに。

■ 左:ジキタリス(釣鐘草)
The FOXGLOVES
are already on,
Not only in pairs
but dozens;
They've come out
to see all the fun,
With sisters and
aunts
and cousins.
ジギタリス(釣り鐘草)たちは
もうすっかりおめかししてる。
二つずつなんかじゃない、
何十個もいっぺんに。
みんな楽しいことを見にやってきたの。
姉妹も、
おばさんも、
いとこたちも一緒に。
ジキタリスの花は英語で「キツネの手袋(Foxglove)」と呼ばれ、小さな釣り鐘状の花が茎にたくさん並んで咲きます。その形がまるで「手袋の指の部分」のようで、この詩ではまるで「たくさんの人が手袋をはめて楽しみに集まってきた」ように描かれているのを見るのがポイントです。
■ 真ん中:ベラドンナ(狼茄子)
Here's VENUS GOMBE
for MAIDENFEAIR:
while
KING GUPS
drink BELLA DONNA,
「乙女の美しさ」のために、
ヴィーナスの化粧道具をどうぞ。
一方そのころ、
王様たちはベラドンナを飲んでいる。
「美しき乙女のために、ヴィーナスの香油を」「王たちは、妖艶で危険なベラドンナの酒を飲んでいる」というような、純真と誘惑、美しさと危険、乙女と王という二つの対照を、花や神話のイメージが表現されています。
■ 右:メドウスイート(西洋夏雪草)
QUEEN OF
THE MEADS
is
MEADOWSWEET,
In the realm
of grasses
wide:
「草原の女王」は メドウスイート。
広く広がる草の王国の中でね。
草の国(草原や野原)において、メドウスイートはまるで“女王”のように君臨している、というロマンチックな表現です。

リトグラフとは?
リトグラフ(石版画)とは、油と水が反発し合う性質を利用した印刷技法のひとつです。
1800年代に広く使われていた方法で、版画家が石や金属板の上に絵を描き、インクをのせて紙に刷ることで、美しい色や細かな線を表現できます。
この技法により、手描きのような風合いや柔らかなグラデーションが生まれるのが特徴です。
サロンに飾っているものは1889年の書籍に収められていた当時のリトグラフ(136年前のものになります)で、当時の印刷技術と芸術性を感じられる貴重な一枚です。
アンティークとヴィンテージの違いとは?
アンティークやヴィンテージという言葉は、よく耳にしますが、実はこの二つの言葉には明確な違いがあります。
アメリカの通商関税法(Tariff Act of 1930)に基づく定義が用いられているそう。
区分 | 製造からの経過年数 |
アンティーク | 100年以上 |
ヴィンテージ | 20年〜99年 |
中古品・USED | 20年未満 |
ひとつひとつに、わたしの時間がある
これらは単なる“物”ではなく、「出会うまでの時間」「選んだ時の気持ち」「届いた瞬間の喜び」「届いたあとの歴史を調べるワクワク感」まで含めて、私の楽しい体験の一部。
田舎に住んでいても、自分のペースで、自分らしいもの選びはできる。むしろ、だからこそ丁寧に“選ぶ”時間があるのかもしれません。
AKANE ABE
オーガニックセラピスト
福島県いわき市にて、26歳から、植物の力で肌本来の力を引き出すオーガニックエステに特化したサロンを運営しています。合成化学物質を一切使用せず、自然の恵みをたっぷり受けた植物調合施術で、心身ともにリラックスできる空間をご提供いたします。


