ARIRIA
Armorial Porcelain Collection
展示室2では、ヨーロッパ各地の窯や中国輸出磁器に見られる、家・個人・都市・組織の紋章を描いた陶磁器をご紹介します。
紋章は単なる装飾ではなく、家系、婚姻、爵位、所属、記念の出来事などを示す視覚的な記録でもあります。
器の形、絵付け、金彩、紋章の構成を通して、その一枚が誰のために作られ、どのような時代を渡ってきたのかを読み解きます。
アーモリアル陶磁器とは、特定の家、個人、都市、団体などの紋章(Coat of Arms)を描いた器の総称です。
17世紀から19世紀を中心に、ヨーロッパ各地の窯や、中国からヨーロッパへ輸出された磁器に多く見られます。
多くは特別注文によって制作され、婚姻、爵位授与、家督継承、訪問、祝賀、記念など、その家や人物にとって重要な出来事を背景に持っています。
同じサービスに属する器が、相続や移動によって各国の博物館や個人コレクションへ分散している例もあります。
・家や人物の紋章、モットー、モノグラムが描かれる
・婚姻、継承、爵位授与などを機に注文される
・同じ意匠で皿、カップ、ボウル、ソースボートなどが制作される
・現在は同一サービスの器が世界各地に分散している場合がある
紋章の中心となる部分です。家系、領地、婚姻、継承などによって、複数の紋章が一つの盾に組み合わされることもあります。
盾の上に置かれ、爵位や身分を示します。公爵、侯爵、伯爵など、位階によって形が異なります。
クレストは盾や兜の上部に置かれる象徴的な図柄、サポーターは盾の左右を支える人物や動物です。すべての紋章に描かれるとは限りません。
家訓や標語、騎士団の勲章頸飾、所有者の頭文字などが加えられることがあります。
一枚の器の中に、所有者の家系、爵位、婚姻関係、所属、信念まで記録されていることがあります。
Worcester/Minton/Spode など
18世紀から19世紀にかけて多く制作されました。窯固有の縁飾りや金彩、色絵装飾と、家紋やモノグラムを組み合わせた例が見られます。
Paris Porcelain/Sèvres など
18世紀後半から19世紀にかけて、パリを中心とする複数の工房や窯で紋章入りの磁器が制作されました。多色彩色や金彩を用い、器面の中央に紋章を大きく配置した例も見られます。無銘の作品もあるため、装飾だけで製作地や窯を特定することはできません。
Ginori(Doccia)/Capodimonte・Naples など
イタリアでも、家や個人の紋章を描いた陶磁器が制作されました。地域や時代によって器形や装飾はさまざまで、紋章だけでなく金彩や色絵、周囲の装飾と組み合わせた例が見られます。製作地や窯の判断には、器形、素地、絵付け、裏印、来歴などを総合して検討します。
Meissen/KPM/Vienna など
精緻な彩色と形式性の高い構図が特徴です。紋章を中心に、花文様、金彩、窯固有の装飾を組み合わせた例があります。
Chinese Export Armorial Porcelain
18世紀を中心に、ヨーロッパの家や商人からの注文を受け、中国で制作されました。西洋の紋章と中国磁器の意匠が一枚の器の中で組み合わされています。
これらはあくまで傾向であり、装飾だけで製作地や窯を断定することはできません。器形、胎土、絵付け、裏印、来歴、同型資料などを総合して検討します。

製作地:未確定|窯不明・無銘
推定年代:19世紀(詳細未確定)
紋章の説明:初代伯爵ゴンサロ・ホセ・エレーラ・イ・サンタ・クルスの複合紋章。伯爵冠、家系を示す盾章、鍵、モットー、勲章頸飾が、多色彩色と金彩で描かれています。
所蔵品の一部について、企画展、研究展示、学術調査への貸出を個別に検討しています。
保存環境、輸送方法、保険、展示設備などの条件を確認したうえで対応します。
高精細画像、寸法情報、表面の三次元記録など、研究資料の提供についてもお問い合わせください。
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