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化粧品開発2021.10.25
個人サロンがオリジナル化粧品を製造するまで(№9)
まるで料理をするように
庭の「イチゴノキ」の実が熟しました。今まで自宅にあったものの、あまり興味がわかなかったイチゴノキなのですが、熟した実を愛犬達が食べていたので、「これはどういった植物?」という疑問がわきました。イチゴの木といっても、あのイチゴでは無く、ツツジ科の植物になり樹木に育ちます。自宅のイチゴノキは5m程になっていて、毎年実を食べに鳥がたくさん訪れます。
氷河期の依存種(現在も生育している高山植物のことを『氷河期の遺存種』と呼ぶそうです)と考えられ、比較的寒さにも強く、秋~冬にかけて実がなります。
早速、ザクザク切ってみました。小さな種がいくつもあります。
そして、食してみました。完熟しているものはプラムの薄味の様。種が舌に残ります。
学名:Arbutus unedo(一回食べたらもう食べたいと思わない)という学名がつくのが良く分かりましたが、ジャムや果実酒にできるそうです。
イチゴノキの若葉も摘み取りました。イチゴノキ葉エキスも一緒に作ろうと思います。
この、秋~冬にかけて「実」と「花」が同時に楽しめます。花は白くかわいいお花です。
フードドライヤーで40度以下にし、8時間かけてみましたが、まだ乾燥が足りません。あと数日繰り返します。葉は枯れない様に日陰の風通しの良い所で乾かします。
何抽出にしよう!とワクワクしながら作業しているので、毎日が楽しい!!お料理をする様に作れるのが、なんとも楽しくて20歳からハマった「手作りコスメ」も、かなり本格的になってきましたね。
ボランティアさんにお願いしたのです
試作を色々していると「これでどうかしら?」と思うので、ボランティアさんを募り、ご意見を頂く機会を作りました。
手作りしたものを、人に売ったり、人にあげたりはNGなので、あくまで「ご意見を頂くボランティア」という事で公式LINEにて募集しました。
現在、ご意見待ちの状況ですが、たくさんの方が「ボランティア参加します!」と言ってくださり、心より感謝です!!
計ったり、結構時間がかかります。でも、そのはかる作業さえ大好き。
納得するまで、何度でも諦めないで挑戦していきたいと思います。いつも応援ありがとうございます!!
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化粧品開発2021.10.20
個人サロンがオリジナル化粧品を製造するまで(№8)
やったことは失敗になっても血肉になる
経験ほど「血肉になる」「糧になる」ものは無いと思っています。やったことが、たとえ失敗になったとしても、必ず糧にして、諦めないこと。諦めたら、血にも肉にもなりませんしね。例えば、お米を買ってきて焚いて食べるのと、育てて収穫して食べるのでは「このお米は何が違うのか」「何が特徴なのか」「何が収穫するまで大変なのか」見える範囲がかわります。見える世界もかわります。勿論、畑を耕して育てて、出来たお米ほど愛情がわきますし、色々な苦労もでてきますよね。化粧品やアロマの世界も同じで、やったことしか身につかないと思いました。見える世界が絶対違うと思っているので、やった事が無い事は、経験出来る時にやろう!スタートしなければ、ゼロにしかならないから、一歩でも前に行くのには、動くしかありません。
黒文字をとって蒸留する過程
今回私は、南会津にある一十八日(じゅうはちにち)さんのアロマツアーに参加しました。
いわき市から車で2時間半。山をこえ、289を只見方面に向かい、田島駅に集合。
ほんのり紅葉がみられる会津には黒文字が自生しています。
標高500m位の所に群生して自生するそうです。標高500mというと、いわき市にも自生しているかもしれません。(調べたら、仏具山等に自生しているらしい)
見晴らしの良いスキー場にのぼり、美味しいお弁当を頂きました。その後、自生の黒文字を探すのですが、素人にはどれが黒文字か判りません。
特徴を聞いて、これかな?と思った葉を一枚クシュクシュっとして嗅いでみる。
枝の色を見てみる(枝はクロモジの特徴と言える黒い斑が出ています)
ようやく見つけて、刈り取ります。娘と一緒に参加したので、娘も「どこ~!ママ~!どれかわかんない!」と言いながら、ようやく見つけました。
これは、黒文字によく似ているのですが「ニオイコブシ」という植物です。ニオイコブシも精油になり、とても良い香りがしますが、葉っぱの時点ではわかりにくい。
クロモジとの違いは、黒文字は群生しているのに対し、ニオイコブシは点在するとの事です。
採取された黒文字は、粉砕し蒸留釜に詰め込まれます。(画像は蒸留後の釜内)とっても重い蒸留機なので、蓋を開ける際はクレーンで蓋を釣り上げます。
蒸留機は3台あり、樹木系はこの蒸留機で行うそうです。あと2台はラベンダー等の花系、シソ、と蒸留により分けているとの事でした。(一十八日さんでは、黒文字の蒸留は色々試行錯誤した後、約1時間になったそうです。)
円錐状の一番上にセパレーターがあります。ここで精油と蒸留水を分離し、精油はセパレーターに溜まります。蒸留水は右のタンクに貯められます。作業所内は蒸留中の香りがたちこめ、とってもリラックス。
今回、参加1人あたり1Lまで蒸留水を持ち帰りできたので、しっかり除菌したタンクを持ち込みました(娘も参加したので2L)
採れたてフレッシュなクロモジウォーターは、普段かいでいるものとは異なります。クロモジは時間をすこし空けてからの方が、良い香りになるそうです。
精油はというと…採れたての精油は水分も混じり濁っていますので、濾過紙でろ過します。ろ過をすると透明な精油が出てきます。こちらも蒸留水と同じ様に、少し時間をあけてからのほうが、良い香りになるそうです。
精油や蒸留水はセラピストにとって、とっても馴染み深いものですが、体験する事によって「製造までの一連」を見る事が出来ました。
蒸留体験ツアーには、まだまだ続きがあります。
アロマブレンドを作る体験もありました。珍しい朴の木の精油は、なんとも「米麹」の様な香り。
個人的に「米麹から作る甘酒の途中段階」の香りに似ていると思うのですが、ブレンドにするのには悩みました。合わせる精油が生姜しか浮かばなかったからです(甘酒的な…笑)
結局、紫蘇、檸檬、生姜、ニオイコブシでブレンドを作りました。紫蘇多めで「会津の森の中で梅おにぎりを食べる」という名前にしました。
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化粧品開発2021.10.19
個人サロンがオリジナル化粧品を製造するまで(№7)
いわきで採る
エキスの原材料「スギナ」はいわき市産です。他の原材料は「安定的」に採取する事を考えると自社農園や提携農家さんがいなければ難しい、そして誰でも簡単に採る事が出来ない。次の製造が叶うなら「化粧品になるスギナを一緒に摘もう」という体験学習になる事を考え、「誰でも」「簡単に」採取に参加できる植物を、化粧品のキー成分として使おうと思いました。そして「雑草なのに?」という驚きをもって欲しかったという事もあります。どこにでもある、全国各地で地獄草ともよばれ、忌み嫌われる雑草が化粧品の材料になる事。そんな、驚きもあると面白いですよね。雑草という名の薬草
スギナは抜いても、抜いても生え、極寒でない限り一年中生えています。一言でいえば厄介な草。
30㎝程地中を地下茎で繋がっており、水分やデンプンを蓄えています。
・昔むかし、水中にいた藻類が進化して陸に上がり、4億年ほど前に現れたシダ植物の一つ(とても古くからある植物なので、生命力が高く、全身で光合成をする)
・春になると顔を出すツクシは、スギナの胞子茎。
【スギナの成分】
・葉緑素(お茶で飲むと利尿作用により、余分な水分を排出)
・ケイ酸
・エキセトニン
・カルシウム(ほうれん草の155倍、お茶にして飲むとカルシウムの吸収を助ける)
・マグネシウム(ほうれん草の3倍)
・ナトリウム
・カリウム(ほうれん草の5倍)
・ビタミンA、C、E等
※健康茶としても知られていますが、何事も過度の摂取は注意が必用です(脚気になるらしい)
※イヌスギナ(湿地に生えている)は毒がありますので、ちゃんと胞子脳とかで確認した方が良いですよ。
どうして?の大切さ
児童発達支援/放課後等デイサービス MY ALLの子供達がスギナのお手伝いをしてくれました。
MY ALLは、いわき市平鎌田にある児童発達支援/放課後等デイサービスです。
〇見通しを立てる力を育む日々の療育
・個別指導・自立課題への取り組み・小集団での活動・プレワーキング 等
〇自立心やコミュニケーション力を育む体験
・生き物の世話(黒毛和牛や羊など)・畑仕事・田植え稲刈り・地域との交流 等
〇感覚機能や運動能力を育む指導
・ロッククライミング・巧技台遊び・リズムトレーニング 等などをされています。
集団行動(SST、感覚統合訓練、知育訓練、運動活動、音楽活動、造形活動)の一環として、スギナを摘むお手伝いから考えていたのですが、当日は台風だった為、地下茎と上部の分別や洗う作業をお手伝いして頂きました。
「うちにも生えてるよ~!!」と元気よく教えてくれた子供達。
「ママがいつも抜いて捨ててるよ!どうして雑草が化粧品になるの?」
「どうして?どうして?」
そんな疑問を持って貰えたら、私はニヤけてしまいます。
何でだろう?どうしてだろう?どうやるの?どうしたらなるの?
疑問符が付くほど、マイナスだと思っていた物がプラスに変わる時
「見え方が変わります」
そうすると、いつもの風景が、更に彩りを増しますよね!
お助けしてくれた、りえ先生、てるみ先生、ありがとうございました!!
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化粧品開発2021.09.25
個人サロンがオリジナル化粧品を製造するまで(№6)
試作!試作!試作!
何度も試作を作り、失敗を繰り返し、処方完成まで大詰めとなってきました。エキスを抽出し、試作し。一考。エキスを抽出し、試作。一考。その繰り返しです。たくさん失敗もしました。エキスの配合分量を変えると、墨色になってしまったり。試作する時は100gで試作するのですが、この時活躍するのが秤。
理由は、試作は100gですが、実際作られる時は、その何倍もの量になるので、小さな誤差が大きな誤差になってしまうからです。
私は、A&DのHT-120という秤を購入しました。120gまではかれるので、試作には十分なのと、風袋引、高精度計量0.01g、省スペース、容器を乗せた状態でゼロ表示可能、電池方式という点でコチラにしました。
最大が120gなので、容器の重さがあまりあると、オーバーしてしまうので注意は必用なのですが、試作には十分。お値段も1万5千円程なので、そこまでツライ出費にはなりません。
ベースになる蒸留水も色々な種類で試しました。
いくつか試して、試作した後どの様な香りになるのかが楽しみで、何度も何度もブレンドを変えてみたり。
色素が濃い物を、どの位配合すれば理想的な色になるのか?
天然の色素なので、それがどの位で退色し、どんな色になっていくのか?それも重要なので、確認作業が続きます。
製品になって、全く別な色になってしまったら「あれ?写真と大きく違う」という事になってしまうからですね。
さあ、試作もいよいよ大詰め!諦めたらそこで試合終了です(笑)
ボトルデザインを考える
処方がある程度固まってきたら、ボトルデザインや、ロゴ、ボックスなどのペーパー類を考える必用が出てきます。
デザイナーさんにお任せする(別途費用)と、自分で入稿するという形から、私は自分で入稿を選びました。illustratorがある、使えるならば、文字だけのシンプルなデザインの場合、自分でもできるかも?と思ったからです。
【最低限知らないと出来ない事】
・illustrator…Adobeのグラフィックデザインソフト。
・CCでサブスク的に利用できるけども、古いPCだと当然重いです。
・トンボ(トリムマーク)の設定
・文字のアウトライン化(これをしないと入稿できない)
デザイン等はAdobeのFresco(iPad)でボトルにレイヤーを重ねて考えてみました。何となくこんな感じが良いかしら??と想像を巡らせる作業は、とても楽しい作業でした。
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化粧品開発2021.09.14
個人サロンがオリジナル化粧品を製造するまで(№5)
処方相談会
植物調合美容研究会の、3回の勉強会を終え、処方相談会がありました。少人数での相談会は、処方を作る上での不安要素等を質問する事ができます。もっとトロみをつけたいけれどもどうすればよいの?このエキスをエタノール抽出に変えたいけれども、どうすれば良いの?そんな質問が飛び交いました。植物調合美容研究会の皆さまは仲間であり、ライバルであり、皆さん真剣に取り組んでいるので、とても良い刺激になります!私の場合は、植物性防腐剤の香りで蒸留水の香りが消えてしまう事に悩んでいました。なので、質問が出来る環境というのは、とてもホッとします。また、他の方の質問もオープンに聞けるので、なるほど、そういった疑問もあるのか!と勉強にもなりました。防腐が必要な理由の実験
オーガニックコスメを愛する方にとって「防腐剤」=「良くないもの」といったイメージがあるかと思います。
手作りコスメで1週間で使いきれる、自己責任で判断できる、そういった内容だったら可能かもしれませんが、「商品」「製品」を作る上で、まず大切なのは何でしょう?
それは「安心・安全」なものを提供する事だと私は思うのです。
例えば3ヵ月常温で、淹れたお茶を置いておくとどうなるでしょう?飲めませんよね。1週間程で腐り、臭いがし、変質すると思うのです。
しかし、実際見ないとわからないですよね。なので全く防腐処理をせずに、ライトゲルを直射日光の当たらない暖かな場所に1週間置いて実験してみました。
<実験条件>
毎日開封、直射日光が当たらない暖かな場所、1週間
<実験結果>
なにやら白いものが浮いていますね?
開封すると、嫌な臭いがしています。
表面にうっすら白い膜が出来上がっています。
これが製品だったらどうでしょう?怖くないでしょうか?
この様に、製品の「傷み」を出さない様に、植物性の防腐を行い、菌検査を行います。菌を製品に入れて菌が増加しないか確かめる検査です。無事に菌が増加せず、安心と安全を確認してから製品となっていくのですね。
それでは、植物性の防腐とは何でしょう?
・水系(防腐)には、GSE(グレープフルーツの種のエキス)、クエン酸銀(クエン酸+銀イオン)、レウコノストック(大根根と乳酸の発酵液)、ペンチレングリコール(多価アルコールの1種)、フェネチルアルコール(芳香族アルコールの1種)等があります。
防腐なので、菌を増やさない事が第1ですが、それぞれ、系統によって特異な菌と不得意な菌があるという事と、菌を入れたときに増加する率が異なってきます。なので、何種か合わせたりするそうです。
私は、フェネチルアルコールの香りが「すっごい濃い香り!」と思ったので、まず何の成分なのかを調べてみました。単に「防腐剤の香りなんです!」と説明するのが嫌だった事もあります。
すると、ローズの生花や、ダマスクローズの蒸留放香水に多く溶け込んでいるという事がわかりました。薔薇の香りの源ですね。
そこで、なぜローズの蒸留放香水は、他の蒸留水に比べて腐りにくいのか?という事が何となく理解できた様に思います。ローズの芳香成分じたいが、菌に強いのですね。
薔薇も種類がありますが、ダマスクローズ > センティフォリア > アルバローズの様に芳香の強さが異なります。それに伴い、ダマスクやセンティフォリアは90%程がフェネチルアルコールの香気を持ちます。アロマで習う「ゲラニオール」は、ダマスクが1%程で、アルバの方が10%と高い事も勉強になりました。
単に「防腐なんです」という事は簡単ですが、なぜ防腐が必用で、なぜこの様な香りがするのか?作るという事は、説明も伴いますので、疑問に思った事は調べていきたいと思います。
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