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化粧品開発2021.09.25
個人サロンがオリジナル化粧品を製造するまで(№6)
試作!試作!試作!
何度も試作を作り、失敗を繰り返し、処方完成まで大詰めとなってきました。エキスを抽出し、試作し。一考。エキスを抽出し、試作。一考。その繰り返しです。たくさん失敗もしました。エキスの配合分量を変えると、墨色になってしまったり。試作する時は100gで試作するのですが、この時活躍するのが秤。
理由は、試作は100gですが、実際作られる時は、その何倍もの量になるので、小さな誤差が大きな誤差になってしまうからです。
私は、A&DのHT-120という秤を購入しました。120gまではかれるので、試作には十分なのと、風袋引、高精度計量0.01g、省スペース、容器を乗せた状態でゼロ表示可能、電池方式という点でコチラにしました。
最大が120gなので、容器の重さがあまりあると、オーバーしてしまうので注意は必用なのですが、試作には十分。お値段も1万5千円程なので、そこまでツライ出費にはなりません。
ベースになる蒸留水も色々な種類で試しました。
いくつか試して、試作した後どの様な香りになるのかが楽しみで、何度も何度もブレンドを変えてみたり。
色素が濃い物を、どの位配合すれば理想的な色になるのか?
天然の色素なので、それがどの位で退色し、どんな色になっていくのか?それも重要なので、確認作業が続きます。
製品になって、全く別な色になってしまったら「あれ?写真と大きく違う」という事になってしまうからですね。
さあ、試作もいよいよ大詰め!諦めたらそこで試合終了です(笑)
ボトルデザインを考える
処方がある程度固まってきたら、ボトルデザインや、ロゴ、ボックスなどのペーパー類を考える必用が出てきます。
デザイナーさんにお任せする(別途費用)と、自分で入稿するという形から、私は自分で入稿を選びました。illustratorがある、使えるならば、文字だけのシンプルなデザインの場合、自分でもできるかも?と思ったからです。
【最低限知らないと出来ない事】
・illustrator…Adobeのグラフィックデザインソフト。
・CCでサブスク的に利用できるけども、古いPCだと当然重いです。
・トンボ(トリムマーク)の設定
・文字のアウトライン化(これをしないと入稿できない)
デザイン等はAdobeのFresco(iPad)でボトルにレイヤーを重ねて考えてみました。何となくこんな感じが良いかしら??と想像を巡らせる作業は、とても楽しい作業でした。
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化粧品開発2021.09.14
個人サロンがオリジナル化粧品を製造するまで(№5)
処方相談会
植物調合美容研究会の、3回の勉強会を終え、処方相談会がありました。少人数での相談会は、処方を作る上での不安要素等を質問する事ができます。もっとトロみをつけたいけれどもどうすればよいの?このエキスをエタノール抽出に変えたいけれども、どうすれば良いの?そんな質問が飛び交いました。植物調合美容研究会の皆さまは仲間であり、ライバルであり、皆さん真剣に取り組んでいるので、とても良い刺激になります!私の場合は、植物性防腐剤の香りで蒸留水の香りが消えてしまう事に悩んでいました。なので、質問が出来る環境というのは、とてもホッとします。また、他の方の質問もオープンに聞けるので、なるほど、そういった疑問もあるのか!と勉強にもなりました。防腐が必要な理由の実験
オーガニックコスメを愛する方にとって「防腐剤」=「良くないもの」といったイメージがあるかと思います。
手作りコスメで1週間で使いきれる、自己責任で判断できる、そういった内容だったら可能かもしれませんが、「商品」「製品」を作る上で、まず大切なのは何でしょう?
それは「安心・安全」なものを提供する事だと私は思うのです。
例えば3ヵ月常温で、淹れたお茶を置いておくとどうなるでしょう?飲めませんよね。1週間程で腐り、臭いがし、変質すると思うのです。
しかし、実際見ないとわからないですよね。なので全く防腐処理をせずに、ライトゲルを直射日光の当たらない暖かな場所に1週間置いて実験してみました。
<実験条件>
毎日開封、直射日光が当たらない暖かな場所、1週間
<実験結果>
なにやら白いものが浮いていますね?
開封すると、嫌な臭いがしています。
表面にうっすら白い膜が出来上がっています。
これが製品だったらどうでしょう?怖くないでしょうか?
この様に、製品の「傷み」を出さない様に、植物性の防腐を行い、菌検査を行います。菌を製品に入れて菌が増加しないか確かめる検査です。無事に菌が増加せず、安心と安全を確認してから製品となっていくのですね。
それでは、植物性の防腐とは何でしょう?
・水系(防腐)には、GSE(グレープフルーツの種のエキス)、クエン酸銀(クエン酸+銀イオン)、レウコノストック(大根根と乳酸の発酵液)、ペンチレングリコール(多価アルコールの1種)、フェネチルアルコール(芳香族アルコールの1種)等があります。
防腐なので、菌を増やさない事が第1ですが、それぞれ、系統によって特異な菌と不得意な菌があるという事と、菌を入れたときに増加する率が異なってきます。なので、何種か合わせたりするそうです。
私は、フェネチルアルコールの香りが「すっごい濃い香り!」と思ったので、まず何の成分なのかを調べてみました。単に「防腐剤の香りなんです!」と説明するのが嫌だった事もあります。
すると、ローズの生花や、ダマスクローズの蒸留放香水に多く溶け込んでいるという事がわかりました。薔薇の香りの源ですね。
そこで、なぜローズの蒸留放香水は、他の蒸留水に比べて腐りにくいのか?という事が何となく理解できた様に思います。ローズの芳香成分じたいが、菌に強いのですね。
薔薇も種類がありますが、ダマスクローズ > センティフォリア > アルバローズの様に芳香の強さが異なります。それに伴い、ダマスクやセンティフォリアは90%程がフェネチルアルコールの香気を持ちます。アロマで習う「ゲラニオール」は、ダマスクが1%程で、アルバの方が10%と高い事も勉強になりました。
単に「防腐なんです」という事は簡単ですが、なぜ防腐が必用で、なぜこの様な香りがするのか?作るという事は、説明も伴いますので、疑問に思った事は調べていきたいと思います。
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