※このブログ記事には、過去のトラウマ体験に関する記述が含まれています。読者の方によっては、辛く感じられる内容かもしれません。ご自身の心の状態に合わせて、無理なくお読みください。▶ 免責事項はコチラ~とある記憶の断片~私は、ただ存在しているだけのようだった。 体がここにあることは確かでも、心は遠く、まるで別世界に漂っているかのように感じる。離人感は、現実の断片を霧散させ、現実感の喪失を強烈に突きつける。耳に入る周囲の音は薄く、誰かの声が伝わっても、まるで遠い記憶のようにしか響かない。 その中で、私は何度も何度も自分の存在を問いただす。手を伸ばし、足を動かしながら、「これが私なのだろうか?」と、コギトエルゴスムの原理を反芻するように、自らを確かめる。しかし、その試みは自己不確実性と身体感覚の喪失に阻まれ、答えはいつも遠く、霧の向こうに消えていく。かつて、心を躍らせるほど大好きだった読書さえ、今では意味をなさなくなっている。 ページをめくる指先に触れる感覚は、体験の疎外感を伴い、言葉の温かみが遠ざかっていく。紙の匂いや文字のリズムすら、もはや私の存在を確認するための手段にはならない。目の前にある人々の表情も、何か大切なものが遮断され、不安定な自己認識の中でぼやけてしまう。 他者との触れ合いは、自己防衛本能によって感情が遮断され、何も感じることすら困難になっていく。 無力感と無意識の喪失が広がる中、時間さえも時間の歪みとして、ただ無意味に流れていくしかない。ただ、無限に続くこの曖昧な感覚の中で、私は自分を何度も抱きしめ、自らの存在を確認しようとする。 しかし、すべては虚しく、感触は薄れ、答えはどこにも見つからない。 私の存在の断片は、遠ざかる記憶と共に、完全に失われようとしていた。離人感とは?離人感とは、身体または精神から自分が切り離されたような感覚が持続的または反復的にある状態を指します(MSDマニュアルより)MSDマニュアル:離人感:https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/10-%E5%BF%83%E3%81%AE%E5%81%A5%E5%BA%B7%E5%95%8F%E9%A1%8C/%E8%A7%A3%E9%9B%A2%E7%97%87/%E9%9B%A2%E4%BA%BA%E6%84%9F-%E7%8F%BE%E5%AE%9F%E6%84%9F%E6%B6%88%E5%A4%B1%E7%97%87自分で自分の存在を確かめる儀式セルフハグは単なる自己慰めではなく、内側から自分自身を取り戻す大切な儀式でもあった。離人感や現実感消失に囚われ、心が遠ざかってしまう日々の中で、セルフハグは「大丈夫」と静かに自分に語りかける優しい行為となる。たとえその温もりが一瞬のものであっても、触れ合うたびに自分がここにいるという実感が、かすかな灯火として胸に宿るのだ。日常のざわめきの中で、何気なく腕を回し、自分自身を抱きしめるその瞬間、過ぎ去りし温かい記憶のかけらがふと蘇るような気がする。長い年月を重ねる中で、失われたと感じた情熱や安心感が、ほんの少しずつ、しかし確かに取り戻される。セルフハグは、情緒安定と感情調整のための静かな行動として、無力感や虚無感に対抗する、私なりの小さな抵抗だった。もちろん、その効果は一時的なものだったかもしれない。日々の重さや心の闇が再び忍び寄る時もあった。しかし、まるで儀式のごとく毎夜繰り返されるセルフハグで、ふとした瞬間に自分自身を確かめ、ほんのちょっぴりの安心感を取り戻すことができた。これは、自己防衛本能の一形態であり、現実との接点を取り戻すための、静かで誠実な試みだったのだ。※本記述は個人の体験に基づく主観的認識と回復への過程を記載したものであり、特定の施設・人物を指すものではありません。※同じ苦しみを抱える方への支援を目的としており、誹謗中傷の意図はありません。想詠 身影淡如霧身影淡如霧(しんえい たんじょ む):身の影は霧のごとく淡く心魂遠似風(しんこん えんじ ふう):心の魂は風のごとく遠し時流無跡跡(じりゅう むせき せき):時は流れ、跡もなく唯抱夢中躬(ゆいほう むちゅう きゅう):ただ夢の中で身を抱く※この詩は、離人感や現実感の喪失、自己存在の希薄さを表現してるオリジナルの五言絶句です。現代語訳:私の姿は、まるで霧のように薄れ 心の魂は、風のように遠くへ離れていく 時は流れ、何も残さず ただ夢の中で、自分自身を抱きしめる心の旅路シリーズ心の旅路シリーズは、「雲の上はいつも晴れ」のブランドの誕生から個人の内面へと焦点を移し、過去のトラウマと向き合いながら回復へと向かう心の旅路を描いています。心の旅路 〜過去と向き合い、未来へ進むために〜誰にも話せなかった過去が、今の私の原動力になった透明な時間~霧の中の私~凍てついた記憶、解凍を待つ心パンドラの箱、開かれた記憶揺るがぬ光 – 傷とともに生きる自己受容と許し - 新しい自分との出会い「雲の上はいつも晴れ」のテーマは、「晴れやか」な素肌と心を実現することです。そして、「雲の上はいつも晴れ」——この言葉のように、少しずつでも前を向いていけることを願っています。